内科は主に高血圧、脂質異常症、糖尿病などの慢性疾患や花粉症などのアレルギー疾患の診断、治療をしております。対象年齢は慢性疾患の方は原則12歳以上、急性の感染症などの方は7歳以上になります。
また新型コロナウィルスやインフルエンザ感染症の埼玉県指定診療・検査医療機関であり、感染対策を高次医療機関と連携して行っています。
当院の内科では、幅広い疾患に対応し、患者様一人ひとりに合った最適な治療を提供しています。
風邪やインフルエンザ、慢性的な疾患まで、どのような症状でもお気軽にご相談ください。
140/90mmHgより高い血圧が持続している状態で、原因には加齢、喫煙、肥満、ホルモンの異常などがあります。高血圧症があると心筋梗塞や脳出血などの危険性が増加します。高血圧症の治療には食事療法、運動療法、薬物療法があります。診察室血圧が家庭血圧より高い(白衣高血圧)場合があるため、家庭血圧を測定し、食事療法や運動療法等を指導し、降圧しない場合は薬物療法を行います。薬物療法にはカルシウム拮抗薬、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、β遮断薬、サイアザイド系利尿薬、漢方薬等があり、検査結果や症状、合併症等によって治療薬を決めていきます。
脂質異常症とは、脂質の中で、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が多過ぎる、あるいは善玉(HDL)コレステロールが少なすぎる、などの状態を示す病気のことです。それぞれの基準値や診断基準を以下にご紹介します。
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール140mg/dL以上
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール40mg/dL未満
高トリグリセライド血症 トリグリセライド150mg/dL以上
脂質異常症の治療は食事療法、運動療法、薬物療法を主軸に行います。食事療法は脂質やカロリーの摂りすぎなどに気をつけます。運動療法はカロリーを消費することで、脂質異常症を改善します。薬物療法はスタチン系薬などの治療薬を使います。
糖尿病は、血糖値を下げるインスリンというホルモンが不足したり働きが悪くなったりするために、血糖値を正常に保てず高血糖の状態になる病気です。高血糖が長期間続くと脳梗塞・心筋梗塞・失明・腎臓の機能低下などさまざまな合併症が引き起こされます。 糖尿病は1型と2型に分けることができ、そのほとんどは2型と呼ばれるタイプで、肥満や生活習慣と深い関わりがあります。一方で、1型は感染症や免疫異常などをきっかけに膵臓が適切にインスリンを分泌することができなくなることで高血糖となる病気です。 糖尿病は自覚症状に乏しいため検査で指摘される一方、口渇・多尿・倦怠感・体重減少などで発症することもあります。これらの症状がある場合には検査をお勧めします。糖尿病の診断は血糖値とあわせてHbA1c(ヘモグロビンA1c)を測定します。空腹時血糖値が126mg/dL以上、もしくは食後血糖値が200mg/dL以上は糖尿病が非常に疑わしいことになります。この場合、同時に測定したヘモグロビンA1c(1〜2カ月の血糖を反映する指標)が6.5%以上なら「糖尿病型」と診断できます。糖尿病が進行すると発症する代表的な合併症は、足のしびれ、足の冷え、つり、自律神経障害(めまい、排尿/排便障害、ED)などの症状が出る「糖尿病神経障害」や透析導入の原因となる「糖尿病性腎症」、失明の恐れがある「糖尿病網膜症」等があります。糖尿病の治療は血糖をコントロールして合併症の予防及び合併症が進行しない状態を維持することを目標に行います。まず第1には食事・運動療法を行いますが、改善しない場合は薬物療法を検討します。治療薬には、尿に糖を出すことで血糖を下げる「SGLT2阻害薬」や、すい臓に働きかけてインスリンの分泌を促進させる「GLP-1受容体作動薬」、インスリンの効きをよくする「BG剤(ビグアナイド)」などがあり、各個人にとって有効な治療薬の選択をしていきます。また、眼科に受診し、早期に網膜症の治療を開始することも重要です。
アレルギーの病気の治療は、大きく分けると「症状に対する治療」と「炎症を抑える治療」、そして「免疫療法」があります。
症状に対する治療
アレルギーの症状があるときに症状を抑えるための治療です。アレルギー性鼻炎の鼻水やくしゃみ、アトピー性皮膚炎の皮膚のかゆみなどに対しては、抗ヒスタミン薬などを使用します。また、喘息合併例では、気管支拡張薬などを併用します。
炎症を抑える治療
アレルギーの病気の一部では、アレルギー性の炎症が起こります。たとえば、喘息では気管支に、アトピー性皮膚炎では皮膚に、アレルギー性鼻炎では鼻に炎症が起こります。これらの炎症に対しては、炎症を抑える治療(ステロイド治療)を行います。ステロイド薬は内服や注射の場合は、長期間継続すると全身にさまざまな副作用が出現します。そのため、アレルギーの病気では、吸入薬や外用薬、鼻噴霧用薬など、その炎症のある場所にだけ効果が得られるように工夫されています。これらの薬は適切な使用では全身的な副作用はほとんどありません。
免疫療法(アレルゲン免疫療法)
アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因となるアレルギー物質(アレルゲン)をごく少量ずつ投与することで、アレルゲンに対して体が反応しないようにするための治療で、以前は「減感作療法」とも呼ばれていました。この治療は症状に対する治療や炎症を抑える治療とは異なり、アレルゲンに対して体に反応が生じにくくする治療で、アレルギーの治療法の中では根治(治癒)を目指す唯一の治療とされています。たとえば、ダニが喘息やアレルギー性鼻炎の悪化因子である場合には、ダニのアレルゲン免疫療法によって、両方の病気の症状が改善することがあります。アレルゲン免疫療法はダニとスギ花粉の舌下製剤があり、アレルギー性鼻炎に対して使用します。アレルゲン免疫療法によって症状が緩和されると、症状に対する治療や炎症を抑える治療を減量、中止ができる可能性があります。治療を開始する際はアレルゲンを調べる検査でダニ又はスギ花粉が陽性であることが必要です。また、治療が定期的および長期にわたるため、診察時によく相談する必要があります。